2022年、Formula Eがバンクーバーに来るぞ!
Image: Jaguar MENA on flickr.com
みなさん、このブログではお久しぶりです。
相変わらずTwitterの方がメインとなり全くブログなど書く気もネタもありませんでしたが、今日、Formula Eのオフィシャルカレンダーにバンクーバーが入ってる、レースが行われるとの事で、これはもう自分が書くしかねぇだろ!って事で久々に記事を書いております。世界選手権クラスのレースが地元に来るのは初体験ですが、これはかなり興奮しますね!記憶ではF1のようにバカ高いチケット代では無かったと思うのでCOVID-19の影響が無ければぜひ観戦に行きたいところ。
しかしながら車好き、レース好きならいざ知らず、Formula Eはまだまだ世間一般にはマイナーな部類。って事でどんなレースなのか超解説していくぞ!
Formula Eってなんぞや?
正式名称 FIA Formula E World Championshipと言い、F1やWEC, WRCなどのレースとは違い、ガソリンなどの化石燃料を使わない電気自動車のフォーミュラカーによるレースです。Wikipediaによると発足が2012年、最初のシーズンが2014-15年だそう。かつては世界選手権として開催されてませんでしたが2020年にFIA(国際自動車連盟)が世界選手権とする事を発表。これによりF1などの著名なレースと肩を並べる格式のレースとなりました!
使用されるマシンはシーズン開始以降何度かバージョンアップされ2020-21シーズンまではGen2と呼ばれるマシンが、2021-22シーズンからはGen2 Evoというマシンが使われる予定です。Gen2はマジでカッコいい(フォーミュラを名乗りながらタイヤが覆われていますが…w) このGen2マシンの性能は最大出力250kW、0-100km/h加速2.8秒、最高速度280km/hって感じです。F1やインディなどに比べたらちょっと見劣りしますがそれ以外に魅力があるのがこのFormula E。
都市部の大気汚染対策となる電気自動車の普及促進を狙い市街地コースでレースは行われます。この辺りは騒音も少なく、ガソリンなどの取り扱いがない電気自動車ならではかもしれません。エンジン音もF1だとブワァァァアアアアアア!!って感じですが、こちらはヒュイーンって感じですw バンクーバー在住の方はディーゼルハイブリッドのバスに乗った時に聞こえる回生ブレーキの音がまさにそっくりです。
レースの形式
Formula Eのレースは基本的に1日で全てが完結するワンデイイベントです。
練習走行が1回60分、予選もトータル50分ですが、5台ごとのグループに計4グループに分かれ10分間の走行、最大4周(アタックラップ2周)と限られた機会の中でタイムを出す必要がありドライバーの腕が試されます。
レース自体も45分+1ラップとスプリント。そのため各ドライバーが攻めた走りをするので最後まで目が話せません。
またかつてはピットでのマシンを乗り換える作業がありましたが、バッテリー容量が増えた現在では余程の損傷などがない限りピットインする事もありません。もちろんパンク以外でのタイヤの交換もナシです。
Formula Eの魅力
なんと言ってもまったく目の離せない展開が続くのがこのFormula E。45分と言うスプリントレースのため、各ドライバーが思いっきり攻めた走りをします。またF1などに比べ各チームマシンを開発できる範囲が狭く、かなりマシンの性能差が小さいため基本的には各車連なる接戦となります。それでなくても狭いコース、市街地コースで続くブラインドコーナー、その中での攻防… お察しの通り接触がよく発生します。
じゃあどうやってオーバーテイクすんじゃ!って話ですが、規定の場所を通るとアタックモードと言うブーストモードを使う事ができ、一定時間最大出力を上げる事が可能で最高速度が上がります。全員にある一定回数与えられ最低使用回数もレギュレーションで求められており、これをどのタイミングで使うかも駆け引きの一つです。規定の場所が大体コーナーなどを遠回りする事になるので、その辺も駆け引きになります。同じようなシステムでファンブーストと言うものがあります。アタックモードやファンブースト使用時にはマシンコクピットに着いている保護デバイスHaloにLEDが内蔵されていて使用中はこれが発光し観客にも視覚的に分かりやすくなっています。
これらが要因となって最終ラップの最後の最後で順位が入れ替わることもざらにあり、タイム差もそこまで開かないので最後までエキサイティングなレースとなります。あとGen2がマジカッコいい。
ドライバーも元F1ドライバーが参加したり(しばらく前までフェラーリで活躍したフェリペ・マッサが走ってた)、WECやGTなどでも活躍するドライバーが集まっています。スポット参戦ですが佐藤琢磨や小林可夢偉、今をときめくピエール・ガスリーなども参戦経験があります。
個人的な注目ドライバー
アンドレ・ロッテラー
日本のSUPER GTやスーパーフォーミュラで活躍してたお方。そしてこのイケメンである。
めっちゃ親日家っぽい感じがするエピソードなどで個人的に応援してます。Formula Eではドライバーズランキング3年連続8位と安定してるのか何とも言えないポジション。そろそろ優勝してほしいところ。ル・マン24時間レースではかつてアウディと組んで3勝、3位一回と大活躍だった。
セバスチャン・ブエミ
日本人にはFormula EよりWEC、世界耐久選手権の方でトヨタのLMP1-H TS050やLMH GR010に乗ってる方で名が知れていそうなドライバー。WECで3回チャンピオンに、ル・マンでも3年連続3度総合優勝、Formula Eでも2015−16シーズンにチャンピオンになっている。2020-21年シーズンは調子が悪いけど過去6シーズンはドライバーズランキングで5位以下無しと強い。巻き返せるか。2009-11年にトロロッソ(現アルファタウリ)でF1でも走っていた。成績よりも前輪が吹っ飛ぶ謎の事件の方が記憶に残っている…かもしれない。
動画:https://www.youtube.com/watch?v=ZMZJ3ZaEcIQ
ニック・キャシディ
ニュージランドはオークランドの出身で主に日本のSUPER GTとスーパーフォーミュラで活躍していたレーサー。そのどちらでもチャンピオン経験があり2019年は2冠まであと一歩だった。2020−21年シーズンからFormula Eに参戦。2021年07月08日現在14位。初シーズンとしては上々? Formula Eはドライバーズランキングもポイント差が少なく直ぐに入れ替わるのでこの辺りも目が話せない所。
カナダ西海岸では貴重な国際レース
東海岸モントリオール、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでは毎年F1が、トロント近くのモスポートパークではIMSAの耐久レースが開催されていますが、西海岸のバンクーバーには1時間ほど車で走った所にあるミッションレースウェイという小さなサーキットがある程度で大きなレースは開催されず、あまり自動車レースには興味無さそうな環境…
次にいつ世界選手権クラスのレースがバンクーバーで行われるかはまったく見通しがないので、この機会にぜひ、モータースポーツに興味がある方は足を運んでみてはいかがでしょうか? F1ほどチケットが高くはなかった(自分で調べてねw)ので比較的観戦しやすいと思います。
では、来年会場でお会い….するかもね!