留学・海外就職エージェントが語らない、就労ビザ取得の難しさ
こんにちはMasaです。ブログの記事はすっかりご無沙汰でした。最近ではTwitter上での繋がりが増え、特に未経験からFront-end Developer、Web Developerを目指すと言う方々とも繋がりができ、自分も大したことない経歴ではありますが自分から何かを発信出来ればなぁと日々考えております。
そんな折に知人から「エージェントは就労ビザを取得する事がどれだけ大変な事なのか、カナダに来る前に教えてくれなかった。」と言った話を聞きまして、つい先日ジョブオファーを貰い今まさに就労ビザを貰うプロセスの真っ只中の自分が分かる範囲内で、如何に「就労ビザを貰う」と言うハードルが高いのか語ってみようかと思います。
自分の海外就職の経験がカナダ、しかもバンクーバーのみなので他国他州だとまた違うかもしれません。またこの記事における海外就職とは海外転勤などの企業内転勤は含みません。その辺りはご了承ください。
そもそもカナダ(BC州)における就労ビザって?
その名が示す通り、カナダ国内で合法的に働く為に必須となるビザです。
我々外国人がカナダ国内で働きたいと思うのであれば必ず必要になります。基本的に雇用される会社と対で発行される物なので、一度発行されたからと言って他の会社で働くと言った事は出来ません。更にはレイオフなどで解雇された場合にもこの就労ビザも無効となり帰国する必要があります。(詳しくはありませんが、ビジターに切り替える事も可能かも?)働く会社に左右されず自由に働くにはオープンワークパーミットと呼ばれる種類の就労ビザを取得するか、永住権を取得する必要があります。
ワーキングホリデーもオープンワークパーミットの一種であり、働く会社を選ばず1年間の就労が許可される、実は凄まじい力を持ったビザになります。なので海外就職を目指す人はワーホリの扱いには十分に注意してください。これがあるかないかで難易度がかなり変わります。ジャパレスや庭師などでワーホリを浪費するのは勿体無いのでやめましょう。
エンジニアが海外で就職する際にワーホリを利用する人が多いですが、
ワーホリを安易に使ったらアカン!!
海外では就労できるビザを取得するのが一番の就職への壁。
しっかり準備した上でワーホリ使わないと、限られた1年間を無駄にしちゃうよ!!ワーホリのご利用は計画的に。
— Hideto_カナダでIT就職🇨🇦 (@VancouBoys) June 28, 2018
オープンワークパーミットは他にポストグラデュエーションワークパーミット(Post Graduation Work Permit / PGWP)、通称ポスグラと言うビザがありますが、こちらは基本的に公立、もしくは認可を受けたカレッジ、大学で8か月以上通学し卒業した人が取得する物であるため、取得するには一度学生として勉強する必要があります。各学校のコースにもよりますが最長で3年間の就労・滞在許可が出るので狙える人はこのビザを目標にするのがオススメです。
学校のプログラムにインターンが含まれる時に取得するCo-opと言うビザも存在します。この辺りの詳細はご自身が利用を検討するエージェントにご確認ください。
他にも配偶者向けや家族移民向けのビザがあるらしいですが、全く分からないので割愛します。
就労ビザの高いハードル
さてこの就労ビザですが、じゃあ企業側が雇いたいと思ったらビザが貰えるのかと言ったらそうは簡単に事が運びません。
就労ビザを取得する為にはまず、カナダ雇用・社会開発省による「労働市場影響評価(Labour Market Impact Assessment / LMIA)」を受け、カナダでの就労を承認される必要があります。このLMIAが就労ビザを取得するに辺り最大の壁となります。
なぜかと言うと、LMIAを取得するに辺り雇用主側に
- 申請に$1,000の費用が必要
- (最低?)4週間の求人広告の掲載
- 政府側と何度かの面談をする必要がある
- 現地カナディアンを雇用しない理由をプレゼン
- その他書類作成のペーパーワーク
などなど、雇用主側に相当の負担が掛かる事になります。その為基本的に企業側は余程「雇いたい!」と思える人材でない限りいきなりは就労ビザサポートをする事はなく、大体は就労ビザのサポートをして欲しいと話した瞬間お断りされます。企業側からしたらめんどいだけなので。
また、企業の規模などにもよって雇用できる外国人労働者の割合が決まる為、常に受け入れられるとは限りません。「永住権の取得より就労ビザの取得の方が難しい」とも言われるくらいの難易度になります。
ワーホリ等で働き出した後に就労ビザサポートをして貰おうと思ったら拒否されて致し方なく帰国する、なんて話も聞きます。
聞いた話なので正しいかは分かりませんが、就労ビザを取得してカナダで働く日本人は年間500人くらいであるとまで言われています。それくらいハードルが高いビザなのです。
辛い話だけど未経験者にはかなり厳しい
未経験者からの海外就職を目指している方には辛い話にはなりますが、ただその辺の専門学校でだけ勉強して、インターンしたくらいでは就労ビザは相当厳しいと思ってください。死ぬ気で勉強しないとほぼ不可能と思っても良い。
北米は日本と違い完全実力社会です。ましてテック業界、尚更です!更に更に、毎年UBC(世界の大学の格付けで東大より断然上。)などでコンピュータ・サイエンスをバリバリに勉強した優秀な人たちや、BootCampなどでみっちり鍛えられた人々など競合相手も強者ばかりです。更に彼らは基本的に英語には不自由しません。
(Bootcampもお金を払えば参加出来る訳ではなく、英語力や事前のスキルでふるいにかけられるらしいです。)
これだけでも海外就職を目指すのであれば遊んでる暇など無い事が分かりますね?
やはり日本である程度実績を持っているか、渡航後必死に勉強しポートフォリオを充実させ、さらに面接で自分がこれだけの事が出来るとアピールする事が出来ないと、いきなり就労ビザを手に入れるのはかなりの茨の道です。狭き門です。しかし険しい道ではありますが不可能ではないと思います。
自分も日本で働いた経験があるとは言え、htmlとcss/sass、たまにjQuery程度のスキルだったので、カナダに来てからJSとJS Framework, webpack等の開発環境を必死で勉強して、個人プロジェクトでアプリを作ったりしました。(大体完成してないのは内緒w)
ならどうすれば良いのか
基本的に自分が利用させて頂いている留学エージェント「Frog」も勧める、Co-opやポスグラなどのプラクティカムで1年、ワーホリで1年、計2年の間に会社に実力を認めさせ就労ビザ、もしくは永住権を目指す、と言うフローを踏襲する事をオススメします。
ここでワーホリの1年が活きるわけです。ワーホリマジ大事!
自分みたいな30過ぎのオジサンはワーホリが使えなかったので、正直もうダメだろうと海外就職は諦め半分でした…(2018年6月末までに決まらなければ帰国予定だった)
それと学校に通っている間にも必死で勉強する事。学校で習うことではまず足りませんし、学校の1年だけでは学べる事などごく僅かに限られます。
勉強する事も自分のキャリアを考えた上で更に考え抜く事。あなたが目指すポジションはWebデベロッパー?Webデザイナー?
デベロッパーならフロントエンド?バックエンド?言語は?などなどとことん細分化して、今自分が勉強するべき物がなんなのかしっかりと把握してブレずに進んでください。
これは自分の周りで既に働いてる人たちからも良く聞きますが、1度現地企業で働いた経験があると一気に雇用難易度が下がると言われています。ついでに自分の経験上、働いた方がただ勉強するより圧倒的に実力が伸びます。(その後停滞も訪れますが…)
それと個人的な意見ではありますが、可能であれば未経験者の人は4年制とかしっかりしたカレッジ、大学に行ったほうが良いと思います。しっかりと基礎から学んで力をつけられるしね。更にポスグラ3年貰ったらもう怖いものはない笑
コンピュータ・サイエンスの学位が無くても別に就職も出来ますが、やはり卒業してる人は深い知識を持っていますし、日本とは違い学歴社会ではないと思われる事が多いですが、学位を求める会社、特に大きい会社はかなり多いです。永住権取得の際にも差が付きます。
いないとは思うけど海外進出を狙ってるけどまだ高校生だったりする人達は、日本のFランでも良いから大学を卒業して学位取りましょう。
どうせこっちの人たちに日本の大学のランクなんて分からないから。
まとめ
どんなに良いエージェントを使おうとも結局は営利のサービスであるため、あまり負の部分の話を聞く事はありません。特に自分から動くことがなければ尚更です。
でも話に出てこない部分で現実にはハードルが幾つも存在します。
自分の様にCo-opのプラクティカムが決まらず(これについては原因はあるので後日記事にしようかな?)、更にはワーホリも無く就労ビザ一発狙いしか残された道が無くとも、巡り合わせによっては就労ビザのサポートを受けられる場合もあります。
まだ海外に出てない人は、実際に現地に来てから「こんなはずじゃなかった!」「そんな話聞いてない!」と言った事にならないよう、日本を離れる前に十分な情報収集をしてください。エージェントを問い詰めても良いと思います。それでも言葉を濁すエージェントだったら変えても良いと思う。
自分の周りの未経験から海外就職を目指す人達、頑張って!死に物狂いで勉強してください。そうすればきっと道は開けます。自分は最後の最後で開いてくれました。でも何もしなければ思ってる以上にあっさりと憤死出来ます。
やっぱりこっちでも就活はメンタル的に辛いけど、諦めずに努力すればきっと何とかなりますよ!
上手くまとめられた気がしないけど今回はこの辺で。でわっ!